― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
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最終更新日:2024年10月9日
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8月<内村鑑三「一日一生」現代語訳
8月11日~8月15日
(2018年 8月18日更新)
このページは、山本泰次郎、武藤陽一編『続 一日一生』(教文館、1964年)を現代語化したものです。
【8月14日】救済の希望
わたしは、あなたがたのことを思い起こす度(たび)に、わたしの神に感謝し、 あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びをもって祈っています。
それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです。
あなたがたの中で善(よ)い業(わざ)を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成(な)し遂(と)げてくださると、わたしは確信しています。
(フィリピ書 1:3~6)
■神は愛である。
〔神はご自身の愛により、明確な目的をもって、この天地・宇宙と人類を創造された。それゆえ神は、罪に沈む人類と世界を救い、創造の業を完成して下さるにちがいない。注1
そして実際、〕神はキリストにあって、すでに人類全体〔と全被造物〕を救って下さった〔のである〕。救済(きゅうさい)はすでに既成(きせい)の業である。
それゆえ、ハレルヤ(神をほめ讃(たた)えよ)である。
蛇の頭は、女の産んだ者によってすでに砕(くだ)かれたのである(創世記3:15)。
あとに残ったのは、ただ僅(わず)かなこの世の苦痛〔だけ〕である。これを〔取り〕除けば、それで万事(ばんじ)は仕上(しあ)がるのである。
最も困難なことは、神がキリストにあって、すでに成し遂げて下さったのである。
人類の罪〔と世界の虚無〕は、すでに除去されたのである。
神との平和(和解)はすでに成就(じょうじゅ)したのである。
あとはただ、人が人との戦争をやめ、平和をこの地に来たらせれば、それで万事は完成するのである。
そして、残余(ざんよ)のこの小(しょう)事業がわれらに委(ゆだ)ねられたのである。
われらは今より、〔自ら〕進んで悪戦苦闘して、〔難〕敵を倒そうとするのではない。
〔すでに勝敗は、決している。〕
敵の大将〔サタン〕は、われらの手を借りることなく既(すで)に〔キリストによって〕打倒されたのだから、われらは楽戦しつつ、逃げる敗残(はいざん)の敵を追討(ついとう)しようとするのである。
* * * *
(「余の信仰の神髄-人類の普遍的救済-」1909年11月、信5・134項の抜粋を現代語化、( )、〔 〕内、下線は補足)
注1
♢ ♢ ♢ ♢
【8月15日】戦争の廃止
末の日には、〔神〕ヤハヴェの家の山は諸々(もろもろ)の山の頂(いただ)きにかたく立ち、諸々の峰(みね)よりもなお高く聳(そび)え、国々は流れるようにそこへ向かう。
多くの民来(きた)り、かつ言う、
「さあ、ヤハヴェの山へ上り、ヤコブの神の家へ行こう。
彼〔ヤハヴェ〕、われらにその道を教え、われらその途(みち)に歩もう。
まことに律法(おきて)はシオンより出(い)で、ヤハヴェの言(ことば)はエルサレムで示される」と。
彼は国々の間を〔正しく〕審(さば)き、多くの民の仲裁(ちゅうさい)に立たれる。
かくて彼らはその剣(つるぎ)を鋤(すき)にうち変え、その槍(やり)を鎌(かま)に変える。国は国に向かって剣を上げず、戦争(たたかい)のことをふたたび学ばない。
(イザヤ 書2:2~4。関根正雄訳)
■戦争の廃止(はいし)-このことを実現する手段は、イエス・キリストの福音を宣(の)べ伝えることである。
ヤハヴェの御名(みな)を〔高く〕掲(かか)げることである。
彼の家の山を諸々の山の峰〔の上〕に堅(かた)く立てることである。
イエス・キリストの御父(おんちち)である愛の神に、最上の権威と栄光とを捧げることである-
これを除いてほかに、戦争廃止〔と世界平和〕の実現を見る道はないのである。
イエス・キリストの十字架の福音、ヤハヴェご自身が自分に背(そむ)いた人類に提供された和解(やわらぎ)の福音-
〔知恵を求める合理主義の〕ギリシャ人には愚(おろ)かなこと、〔天からの徴(しるし)を求める〕ユダヤ人には躓(つまず)きの石(注1)、哲学者が嘲(あざけ)り、宗教家が疑いを差しはさむこの単純な福音こそ、最終的に国〔々〕に軍備を解除させ、〔多くの〕民に剣(つるぎ)を打ち変えて〔農具の〕鋤(すき)とし、槍(やり)を打ち変えて鎌(かま)にさせ〔、恒久平和を来たらせ〕る最大唯一の威力(ちから)である。
* * * *
(「戦争の止(や)む時」『聖書之研究』1915年1月、信6・52、46~52項の抜粋を現代語化。〔 〕、( )内は補足)
注1 神の力、神の知恵であるキリスト
コリントⅠ 1:21~25を参照。
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