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12月<内村鑑三「一日一生」現代語訳

 

12月6日~12月10日

(2017年12月10日更新)

 

このページは、山本泰次郎、武藤陽一編『 一日一生』(教文館、1964年)を現代語化したものです。

【12月9日】一友人を失うのは(損失という利益)

だから、兄弟たちよ。主の来臨(らいりん)の時まで耐え忍びなさい。


見よ、農夫は、地の尊い実りを、前の〔秋の〕雨(注1)と後の〔春の〕雨(注2)とがあるまで、耐え忍んで待っている〔ではないか〕。


あなたがたも、主の来臨が近づいている〔のだ〕から、耐え忍びなさい。心を強くしていなさい。(ヤコブ書 5:7~8 口語訳)

一友人を失うのは、他にさらに、より良き友人を得るためである。

一事業に失敗するのは、他にさらに、より貴(とうと)き事業に成功するためである。

(く)ちるこの世の〔財〕物を失うのは、朽ちない天に宝を積むためである。

人生において〕失うことは、〔すなわち〕得ることである。

損失なしに、利〔益を〕得〔ること〕は〔ありえ〕ない。損失はつねに、利得の先駆(が)けである。

 

それゆえ、〕損失がわれらに臨(のぞ)むとき、われらは感謝し、希望をもって、これを迎えるべきである。

(原著「損失の利益Ⅱ」1909年、信8・165)

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注1の雨」、「後の雨

シリア・パレスティナにおける、秋の新年祭前後の雨(前の雨)と、雨期の終わりに降る春の雨(後の雨)のこと(『岩波版 新約聖書』「ヤコブの手紙」の注6参照)。

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