
駒鳥(コマドリ)
* * * *
ただ うた(歌)わしめよ(注1)
ただ な(啼)かしめよ
われを つく(造)りしもの(神)よ
小鳥のごとく われを 生きしめよ、
〔後世に〕残すべき 名のわずら(煩)いも無く
つたな(拙)きを かえり(省)みもせず
ひと(人) き(聴)かざるを うれ(憂)いもせず、
うたい おわ(終)らば そのままに
消えゆく うたを ひく(低)くとも
ちからを こめて うたわしめよ
♢ ♢ ♢ ♢
(八木重吉『神を呼ぼう』新教出版社、1961年)
注1 ~しめよ
「~させてください」の文語表現。
「うたわしめよ」→「うたわせてください」の意味。
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