7月<内村鑑三「一日一生」現代語訳
7月20日~7月25日
(2018年 3月6日更新)
このページは、山本泰次郎、武藤陽一編『続 一日一生』(教文館、1964年)を現代語化したものです。
【7月20日】制度と生命
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【7月24日】希望を天に繋(つな)げ
わたしは山々に向かって眼をあげる。
わが助けはいずこから来るか。
わが助けは、天地を造られた〔神〕ヤハヴェのもとから来る。
(詩編 121:1、2 関根正雄訳)
■キリスト信徒は、助けを天に仰(あお)ぐ。地に求めない。
彼のすべての希望は、神につながっている。人に関(かか)わらない。それゆえ信徒は、その習わしとして、上を見て、下を見ない。
人〔間〕はもともと、上を見る生き物である。彼の身体の構造が、上を見るようにできている。
昔のギリシャ人が人〔間〕をアンスロポス(天を仰ぐ者)と呼んだのは、そのためであるという。
そして、人が人であることの価値(神の愛(いと)し子であること)を自覚するに至るとき、彼は目を下に向けることをやめて、上を向くようになる。彼の肉体は、彼の精神に応じて、その目は自(おの)ずと上を仰ぐようになる。
〔地を見つめれば、行き詰まる。しかし天におられる神を仰げば、道は開かれる。困難に勝利する力が与えられる。
それゆえ人よ、希望を天に繋(つな)げ。〕
「わたしたちの国籍は天にある。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、わたしたちは待ち望んでいます」(ピリピ書 3:20、21)とは、キリスト信徒の常態である。
(原著「目の向け方」1926年、信22・49)
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