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<信仰と人生

詩歌 039

2018年9月24日改訂

サミュエル・ウルマン

 

青春の詩 (抄)

"Youth"

Samuel Ullman(注1)

人は信念と共に若く

疑念と共に老ゆる(注2)

人は自信と共に若く

恐怖と共に老ゆる

希望ある限り若く

失望と共に老い朽ちる

(岡田義夫訳 一部改訳)

♢ ♢ ♢ ♢

注1 サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman)

1840年4月13日 - 1924年3月21日。

アメリカの実業家・詩人・人道主義者。

1840年、ドイツのヘヒンゲン (Hechingen) においてユダヤ人の両親のもと、長男として生まれる。

 

1851年、ウルマン一家はアメリカに移住し、ミシシッピ州ポートギブソンに定住。

 

1861年、南北戦争が勃発するとサミュエル・ウルマンは南軍兵士として従軍し、翌年除隊後に、ミシシッピ州ナチェズに移り住み、ここで商売を始めた。

1867年、エマ・メイヤーと結婚。夫婦の間には8人の子供が与えられ、6人が成長した。

 

1884年、一家はアラバマ州バーミンガムに移住。

この町でウルマンは金物の小売店を始め、続いて不動産業も兼営した。

1884年、バーミンガム市教育委員に選出され、後に委員長になった。

彼は黒人教育に関心を寄せ、その他、病院の設立など、多くの地域社会活動に携わった。

 

ウルマンは、市のユダヤ教改革派のエマヌエル教会において、信徒団の長を務め、1890年にはレイラビ(lay rabbi、在俗のラビ)となった。

引退後、ウルマンは多くのエッセイや詩を執筆した。

彼の詩は、愛、自然、信仰、そして「若く生きる」といった、さまざまな題材を扱っている。

1920年4月、ウルマン80歳の誕生日を記念し、それまでに書きためられた詩を集めて『From the Summit of Years, Four Score』(80歳の歳月の頂きから)が家族により自費出版された。

1924年、アラバマ州バーミンガムにて死去。

青春の詩」"Youth" は、ウルマンが70代で書いた詩で、詩集『From the Summit of Years, Four Score』  に収められた作品のひとつである。

 

"Youth is not a time of life; it is a state of mind"(青春とは人生のある期間を指すのでなく、心の持ち方を指すものである)とするこの詩は、日本では「人生の応援歌」として受容されている。

(参考文献:Wikipedia)

注2 疑念

岡田訳では「疑惑」と訳されているが、現代ではこの語は、「~に疑惑の目を向ける」等、他者に対して向ける疑いを表すことが多い。

ここでは、自分の心の中に満ちた疑いの心を意味する「疑念」に改訳した。

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