― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
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最終更新日:2024年10月9日
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<信仰と人生
詩歌 053
2024年3月7日更新
作詞者:ジョン・ニュートン
作曲者:不明
和 訳:さかまき・たかお
Amazing Grace
〖アメイジング・グレイス〗
- 驚くべき神の恵み -
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日本語字幕は正確でないため、英語字幕での鑑賞お勧めします。
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☆日本語アカペラ4声
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"Amazing Grace"
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* * * *
アメイジング・グレイス
〖Amazing Grace〗
(驚くべき神の恵み)
英語歌詞:John Newton,1725-1807
日本語訳:さかまき・たかお
1.
Amazing grace! how sweet the sound
アメイジング・グレイス(驚くべき神の恵み)!
なんと甘美(かんび)な響きだろうか。
That saved a wretch like me!
その恵みが、私のような惨(みじ)めな者をも救った!
I once was lost but now am found
私はかつては〔迷い出て、〕失われた者だった。
しかし今は、〔神によって〕見い出された。
Was blind, but now I see.
かつては〔、神の恵みに〕盲目だった。
しかし今は、見えるようになった。
2.
'Twas grace that taught my heart to fear.
御(み)恵みが、わが心に〔神への〕畏敬を教え、
And grace my fears relieved;
恐れを除いて、平安をもたらした。
How precious did that grace appear,
どれほど尊い神の恵みが現わされただろうか、
The hour I first believed.
初めて、私が信じ〔るように導かれ〕たときに。
3.
Through many dangers, toils and snares.
幾多(いくた)の危険や苦しみ、そして誘惑を経(へ)て、
I have already come;
私はここまで辿(たど)り着いた。
'Tis grace has brought me safe thus far,
御恵みが〔常に私に伴(ともな)い〕、かく遠くまで無事、私を護(まも)り導いた。
And grace will lead me home.
そして〔いつの日か、〕御恵みは、私を〔天の〕故郷へと導くだろう。
4.
The Lord has promised good to me
主(しゅ)は私に良きことを約束された、
His word my hope secures;
主の御(み)言葉が、わが希望を確かなものとすることを。
He will my shield and portion be,
As long as life endures.
〔また、わが〕いのちの限り、主がわが盾(たて)、また、わが一部となることを。
5.
When we've been there ten thousand years,
彼処(かしこ、注)にて、一万年〔の歳月〕を経ようとも、
Bright shining as the sun,
われらは、陽(ひ)のごとく光り輝き、
We've no less days to sing God's praise
Than when we've first begun.
日々、神への讃歌を歌う、
初めて、歌い始めたときと同じように。
〔 〕内は、意味上の補足
注
彼処(かしこ):天の故郷(ふるさと)、御国(みくに)のこと。
訳注:
①relieved:relieveの過去形。
relieve:救い出す、解放する、(苦痛、心配、恐怖などを除いて、人を)安心させる等の意。
②brought:bringの過去分詞。
bring:持ってくる、連れてくる、・・に同行する、エスコート(護衛)する等の意。
* * *
この曲と同じメロディーの讃美歌に、讃美歌第2編 167番「我(われ)をも救いし」がある。
「われをも救いし」
(私をも救ってくださった)
讃美歌第2編 167番
原曲:“Amazing Grace ”
日本語アカペラ4声
讃美歌2編 167番「われをもすくいし」YouTubeへ
歌詞
1.
我(われ)をも救いし 奇(く)しき恵み、
迷いし身も 今 立ち帰りぬ。
*私をも救ってくださった 思いがけない〔主の〕恵み、
さ迷っていた身も、今は、〔神のもとに〕立ち帰った。
2.
恐れを信仰に 変え給(たま)いし
わが主のみ恵み げに尊し。
*恐れを信仰(神への信頼)に 変えて下さった
わが主の御恵みは 真(まこと)に尊い。
3.
苦しみ悩みも 奇しき恵み、
今日まで守りし 主(しゅ)にぞ 任(まか)せん。
*苦しみ悩みも 思いがけない恵み、
今日まで守って下さった 主にこそお任せしよう。
4.
わが主のみ誓い 永久(とわ)に 堅(かた)し、
主こそはわが盾 わが命ぞ。
*わが主の約束は 永遠に揺らぐことはない、
主こそはわが盾、わが命。
5.
この身は衰え 世を去るとき、
喜び溢(あふ)るる 御国(みくに)に 生きん。
*この身は弱り衰え 世を去るとき、
〔私は〕喜び溢れる 〔主の〕御国に生きよう。
*印は現代語訳。
語注 奇(く)しき:不思議な、神秘的な、の意。
♢ ♢ ♢ ♢
注1 「アメイジング・グレイス」の誕生物語
アメイジング・グレイス(英語:Amazing Grace、和訳例:驚くべき神の恵み)は、18世紀の代表的な英国讃美歌作者であるジョン・ニュートン(John Newton、1725–1807)の作詞による讃美歌。作曲者は不詳。
"grace"とは、「神の恵み」、「恩寵(おんちょう)」の意。
☆ジョン・ニュートンの生涯とアメイジング・グレイス誕生
ジョン・ニュートンは、地中海貿易の船長の子として、1725年、英国のロンドンに生まれた。
母親は、幼いニュートンに聖書を読んで聞かせるなど熱心なキリスト信徒だったが、ニュートンが7歳の時に亡くなった。
ニュートンは、11歳の時、商船の指揮官であった父について、船乗りとなった。
しかし彼は、まもなく父と仲たがいしてさまざまな船を渡り歩き、奴隷売買船の船員となって、酷使を受けたり、種々の危険を経験した。
そして彼自身、奴隷貿易に携(たずさ)わって、富を得るようになった。
当時奴隷として拉致(らち)された黒人への扱いは家畜以下であり、輸送に用いられる船内の衛生環境は劣悪であった。このため、多くの者が輸送先に到着する前に、感染症や脱水症状、栄養失調などで死亡したといわれる。
1748年5月10日、ニュートン22歳の時に転機が訪れた。
イングランドへ蜜蠟(みつろう)を輸送中、船が嵐に遭(あ)い浸水、転覆の危険に陥ったのだった。
今にも海に呑(の)まれそうな船の中で、彼は必死に神に祈った。彼が心の底から神に祈ったのは、この時が初めてだったという。
すると流出していた貨物が船倉の穴を塞(ふさ)いで浸水が弱まり、不思議にも、船は難破を免(まぬが)れた。
ニュートンはこの日を転機とし、それ以降、酒や賭け事、不謹慎な行いを控え、聖書や信仰的な書物を読むようになった。
しかし、その後も6年間、彼は奴隷貿易を続けた。
1755年、ニュートンは伝道者を志して船を下り、1764年、英国国教会の牧師となって、ロンドン北西バッキンガムシャー州オルニーの国教会に赴任した。
1772年、「アメイジング・グレイス」が作詞された。
その頃、オルニーで療養中だった詩人ウィリアム・クーパー(William Cowper,1731-1800)と親交を結び、1779年、協力して、ふたりの讃美歌を集めた『オルニー讃美歌集』(Olney Hymns)を出版した。
「アメイジング・グレイス」の原歌は、『オルニー讃美歌集』第1巻の41番として収められた。
この歌は、旧約聖書歴代志上17:16~17にもとづく、6節からなるニュートンの自伝的な讃美歌である。
歌詞の中で、彼は黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨(かいこん)と、それにもかかわらず赦しを与えてくださった神の恵みに対する感謝を歌っている。
米国では、特に南部諸州を中心に古くから広く歌われてきたが、現在、米国のみならず世界で愛唱されている曲である。
なおニュートンの作品は、今日、多くの讃美歌集に収められている。なかでも、『讃美歌』194番の「栄えに満ちたる」などが有名である。
所収
『讃美歌第二編』第167番「われをもすくいし」、『聖歌』第229番「おどろくばかりの」、『聖歌 (総合版)』第196番「おどろくばかりの」、『日本聖公会聖歌集」第540番「やさしき息吹の」、『教会福音讃美歌』第304番「恵みのひびきの」
(参考文献: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、讃美歌委員会編『讃美歌第二編略解』日本基督教団出版局、1974年)
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