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日々のかて003〖万全の策〗(現代語訳、原文付)

現代語訳

万全の策

神はその羽で君を覆(おお)い、

君はその翼のもとに避け所を得る。

神の真実(まこと)こそ盾また小盾。

(詩篇第91篇4節。関根正雄訳)

神の命令を待て。そうすれば、何事も実現するであろう。神に自己(おのれ)を委ねよ。そうすれば、〔必要な〕力はすべて、君に与えられるであろう。

君は神の所属(もの)であって、君の事業は〔すなわち〕神の事業であるべきである。それゆえ君には、〔自分の〕計画なるものがあってはならない。

君に焦心、憂慮の必要はない。神はご自身で活動される方〔であるから〕、我々は自己を神に献げ〔、神に用いていただけ〕れば〔、それで〕十分である。

自ら計画し、自ら実行しようする時、我々は〔自分の計画に囚(とら)われ、〕神から離絶する者となる。そして勿論、このようなやり方で、我々の手により雄偉な業(わざ)が成し遂げられることはない。

もし我々が、人〔々〕に対して〔真に〕活動的でありたいと願うならば、神に対しては全く受動的であるべきである。   

〔 〕、( )内は、補足。

♢ ♢ ♢ ♢

原著

万全の策

「神その羽をもって汝(なんじ)を庇(おお)い給わん、 汝その翼の下に隠れん、その真実(まこと)は盾なり干(こだて)なり」

(詩篇第91篇4節)

神の命を待てよ、然(しか)らば何事も行われん、身を神に任かせよ、然らば凡(すべ)ての力は汝に加えられん、

汝は神の属(もの)にして、汝の事業は神の事業たらざるべからず、この故に汝に計画なるものあるべからず、

汝に焦心憂慮の要あるなし、神は彼れ自身にて活動する者、吾人(ごじん)は身を彼に献ぐれば足れり、

自から計り、自から行わんとして吾人は神より離絶する者なり、而(しか)してかく為(な)して偉大なる行為の吾人の手に依て成らざるは勿論(もちろん)なり、

吾人もし人に対し活動的たらんと欲(ほっ)せば神に対しては全然受動的たらざるべからず。

(内村鑑三「万全の策」『聖書之研究』第1号、1900〔明治33〕年)

♢ ♢ ♢ ♢

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