本の紹介お知らせ

紹介・書評 010

2021年5月28日改訂

タケサト カズオ

『友和』誌・巻頭言

ウクライナにおける戦乱

平和の回復

War and peace restoration

in Ukraine

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本ページ下部に​英訳掲載

​​English translation is posted at the bottom of the page.

* * * *

2022-03-06 ウクライナ危機 逃げる父子.webp

 戦禍の中を逃げる父子

Father and son running away from the war

ウクライナ危機 2022年3月6

* * *

以下の文章は、ロシア軍のウクライナ侵攻という事態を踏まえ、『友和』誌(日本友和会JFOR)の巻頭言として寄稿したものである。

 

「まさか」の光景 "No way" scene

20222月24日、ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まった。そしてウクライナでは今も、凄惨(せいさん)な光景が繰り広げられている。

ロシア軍による残忍な無差別攻撃により、多くの都市や町々、村々が徹底的に破壊され、子供を含め多数の市民が殺害され、あるいはロシアへ連れ去られている。

そればかりかロシア軍は占領した地域で、無抵抗の民間人を多数、拷問(ごうもん)し、また組織的に殺戮(さつりく)するなど、《戦争犯罪》に手を染めている。 


世界の光景は一変した。

まるで軍事侵略が横行した、第二次世界大戦終結(1945年8月)以前の世界に戻ってしまったかのようである。


プーチンの戦争 Putin's war

この戦争の本質は何か。様々な要因が指摘されている。


この戦争について、ロシア政府は「ウクライナのNATO(ナトー、北大西洋条約機構。注1)への加盟を阻止するための軍事作戦である」と主張する多くの識者もこの主張を前提として、さまざまに論じている。

 

しかしこれは、プーチン大統領の欺瞞(ぎまん)に満ちたレトリック(巧言)である。


この戦争の本質は「独裁者プーチンによる、プーチンのための戦争」である、と私は考える(注2)

なぜならウクライナのNATO加盟は、当面、具体的な問題になり得ないからである。


そもそも、領土の一部を占領されるなどして領土紛争を抱えていたり、NATO全体の安全向上に寄与できない国は、NATOに加盟できない。

 

ところがウクライナ領であるクリミア半島は、2014年3月18日にロシアによって一方的に併合され、今も占領されている(ウクライナはもちろん、国際社会もこれを承認していない)。

また今回の侵攻前から、ウクライナ東部の2州(ルハンシク州、ドネツク州)の一部は、ロシアによって事実上、占領されていた。

 

つまり現在のウクライナは、ロシアとの間に深刻な領土紛争を抱(かか)える当事国である。

したがって現状では、ウクライナのNATO加盟はあり得ない。このことは、当のプーチン自身が十分、承知していたはずである(注3 参考文献)。


プーチンの真の目的は、彼が「小ロシア」(帝政ロシア時代の発想・表現)と見なすウライナから自由と民主主義を奪うことにあると考えられる。


旧ソ連圏の周辺国で選挙により親ロ派政権が次々と倒れるたびに、プーチンは「欧米の陰謀だ」と主張してきた。

 

プーチンは、民主化した国々の市民の自由な言論や行動がロシアに波及し、大規模な抗議デモや市民革命等により、自分が権力の座から引きずり下ろされることを心底、恐れているに違いない(注4)

彼は、独裁者の哀(あわ)れな末路(まつろ)を知っているからである(注5)


プーチンは、この戦争に反対する者を「国家の裏切り者」、「反逆者」と呼び、国民が互いに監視し、戦争反対者を排除するよう求めている。

 

さらに彼は、戦争反対のデモ参加者を暴力的に弾圧し、15年間、投獄することを可能とする法律を定めるなどして、市民を徹底的に抑圧している。

 

これらは、プーチンが市民の自由な言論と行動を恐れていることの証左(しょうさ)であろう。


プーチンの目的がウクライナのNATO加盟の阻止以上に、ウクライナの自由と民主主義の阻止であるならば、彼の最終目標はウクライナの「中立化」の先、すなわち親ロ派政権の樹立であり、自由や人権、民主主義という価値観を排除した権威主義的・独裁政権の統治の確立であろう。

ロシアに忠実な、ベラルーシのルカシェンコ政権(「東欧最後の独裁者」と呼ばれる)のように。


この戦争でロシアの野望が実現するならば、今後、力による自由と民主主義の抑圧(権威主義)が世界に拡がる恐れ大である。


われわれに今できること - 祈り、行動する What we can do now-pray, act

戦争が始まったからといって、われわれは非戦・平和の主張を取り下げない。

この戦争によって、おびただしい数の人命が失われ、また生活環境、自然環境が破壊されている。世界経済の混乱、中東やアフリカその他における食糧危機の発生、地球温暖化の更(さら)なる進行等が深刻に懸念される。

これらは、人類存続の可能性を一層狭(せば)めるものである。

戦争廃止の必要性は、ますます明白である。


しかし戦争が実際に始まった以上、(な)すべきは、一日でも早く戦争を停止し、平和を回復することである。

ただしこれは、われわれすべてが関与できることではない。


それでも、われわれにできることがある。

 

われわれは、戦争の一日も早い終結と平和を祈る。主権国家ウクライナへの侵略戦争という国際法違反(注6)を犯しているロシア軍の、即時撤退を求める。

宗教界が平和のために、勇気をもって公に発言することを求める(特にロシアにおいて)。

 

われわれは、傷つき倒れているウクライナの人々を援助し、支える。そのために想像力を働かせ、今、自分(たち)にできることは何かを考え、実行する。

 

また戦争が終結した時に、戦後の世界平和構築のために有効な活動ができるよう今回の問題を深く分析・考察し、FORの活動深化の途(みち)を探(さぐ)る。


(おのれ)権力を維持するために独裁者は、しばしば戦争を始める(ウクライナ侵攻後、2年後に大統領選を控えたプーチンの支持率は狙(ねら)い通り、4年ぶりに80%超に跳(は)ね上がった)。


われわれは、足元の自由と人権、民主主義を深化させ、独裁的な政権が登場しないように監視し、予防する。

 

そのためにも、普段からメディアリテラシー(注7)を磨(みが)き、物事の本質を見抜く眼を養いたい。


あくまでも世界平和の到来を信じ、希望を捨てずに共に前進したいと思う。

(2022年4月5日、一部改変)

♢ ♢ ♢ ♢

注1 NATO(ナトー、北大西洋条約機構)

NATOは、North Atlantic Treaty Organizationの略。

東西冷戦が激化した1949年4月に、北大西洋地域のアメリカ、カナダとヨーロッパの西側陣営諸国(イギリス、フランスなど10カ国)の12カ国が加盟して成立した集団安全保障体制、最大の反ソ軍事同盟のこと。

第二次世界大戦後、米国を中心とする資本主義(自由主義)陣営とソ連を中心とする社会主義陣営は、イデオロギー、生産力、従属国の争奪、核兵器開発といった全分野にわたって対立した。

 

この対立は軍事力行使の一触即発の状態にあったが、直接の武力衝突に至らなかったことから、これを「冷戦(冷たい戦争)」と呼ぶ。

東西冷戦体制下、東・西ドイツの対立、南・北ベトナム、南・北朝鮮の対立など、世界各地に対立の冷戦構造が生まれた。また、朝鮮戦争(1950~53年)やベトナム戦争(1965~73年)のような、大規模な代理戦争が起こった。

​しかし、1989年12月、マルタ会談においてアメリカ大統領ブッシュとソ連のゴルバチョフ書記長は、冷戦の終結と新時代の到来を宣言した(マルタ宣言)。

その後、1991年のソ連崩壊により、米ソの冷戦は終わった。

冷戦後は、NATOは地域内の安全保障を維持する組織となったが、1999年、旧東側陣営だったポーランド、チェコ、ハンガリーが、さらに2001年、バルト三国など中・東欧7カ国も次々とNATOに加盟して、NATOの規模が拡大した(「NATO東方拡大」)。

今回のウクライナ侵略初期から、ロシアのプーチン大統領は、「NATOの東方拡大は、ロシアに対する陰謀であり、脅威である」と非難するとともに、軍事侵攻を「ウクライナのNATO加盟を阻止し、国家の安全を確保するための軍事作戦」として正当化するプロパガンダを展開している。

 

このロシアの主張に対して一橋大学・市原麻衣子教授 (国際政治学)は、「マギル大学のマリア・​ポポヴァとタフツ大学のオクサナ・シュヴェルらは、(『米ジャスト・セキュリティー』誌掲載の論考において)NATO拡大の過程でロシア政府が敵対的なレトリックを示してこなかった上、2002年にウクライナがNATO加盟への関心を公(おおやけ)に示した際にもほとんど反発しなかったと指摘する」と紹介している(「もっともらしい主張の嘘 厄介」、『信濃毎日新聞』2022年4月3日)。

参考文献:政治・経済教育研究会編『政治・経済用語集』山川出版社、2014年、102~105項。全国歴史教育研究協議会編『改訂版 世界史B用語集』山川出版社、2008年

​注2 プーチンによる、プーチンのための戦争 Putin's War for Putin

ゴルバチョフ財団の声明 Statement of the Gorbachev Foundation

東西冷戦を終結に導き、ノーベル平和賞を受賞した元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフ氏(現在91歳、ロシア在住)が総裁を務める「ゴルバチョフ財団」は、2022年2月26日、ロシアのウクライナ侵攻について「一刻も早い戦闘行為の停止」などを求める声明を発表した。

 声明は「世界には人間の命より大切なものはなく、あるはずもない相互の尊重と、双方の利益の考慮に基づいた交渉と対話のみが、最も深刻な対立や問題を解決できる唯一の方法だ

我々は、交渉プロセスの再開に向けたあらゆる努力を支持するとして早急(さっきゅう)な平和交渉を求めた。

また、この声明に関連してゴルバチョフ氏は、ロシアとウクライナの間に敵意をあおり、両国の関係悪化に並々ならぬ関心を持ち、この地域に不安定さを必要とする誰かがいると注目すべき発言をしている(「ゴルバチョフ財団が声明 『一刻も早い停戦を』ロシアのウクライナ侵攻で」『琉球新報』3/13配信より)。

この「誰か」は、ウクライナばかりか世界を敵に回し、ロシア全軍に命令して侵略戦争を始めることのできる「誰か」であり、現体制下のロシアでは独裁者プーチン大統領以外にあり得ない

現在のロシアでは、元ソ連大統領といえども、十分な言論の自由や身の安全が保証されているわけではない。

そのような中ゴルバチョフ氏は、この「誰か」という言葉によって、今回の戦争の張本人は独裁者プーチンであることを伝えようとしたのではないだろうか。

つまり、この戦争が「プーチンによる、プーチンのための戦争」であることを言外に明示しようとしたのではないだろうか。

ちなみに、ゴルバチョフ氏の母親および彼の妻はウクライナ人であり、ウクライナには今も多くの親族がいる。

彼は、今回の事態に最も心を痛めている人々の一人である。

​注3 参考文献 References
・一橋大学教授 市原麻衣子(国際政治学)「もっともらしい主張の嘘(うそ) 厄介(やっかい)」、『信濃毎日新聞』2022年4月3日


・スタンフォード大 Michael McFaulほか「What Putin Fears Most(プーチンは何を最も恐れているか)」、『Journal Of Democracy』2022年2月号


・EUSI研究員 合文強「ウクライナとNATO加盟問題」、『EUSICommentary Vol.59』2015年9月10日

​注4 独裁国家は、体制を脅かす民主主義を敵視する

Dictatorships are hostile to democracy, which threatens their regime.

以下は、『信濃毎日新聞』掲載の記事「レコンキスタ(失地回復)の時代 体制を脅かす民主主義」より、抜粋引用したもの。

◆ ◆

ウクライナの〔自由と平和を望む〕民意を力で押しつぶすプーチン・ロシア大統領(69)。中国と組んで「レコンキスタ(失地回復)」に挑(いど)む。

 

自由に背を向ける「独裁者」は、どんな民主主義観を抱いているのか。ロシア研究の泰斗(たいと)アンジェラ・ステント米ジョージタウン大名誉教授に聞く。

* *

プーチン大統領は3年前、自由主義は「時代遅れ」と発言した。その心は。

ソ連崩壊から10年を経た2000年代、旧共産主義諸国で『色の革命』と呼ばれる民主化運動が相次いだ。グルジア(現ジョージア)のバラ革命やウクライナのオレンジ革命などだ」

(プーチン大統領内心、脅威を感じていた

ソ連国家保安委員会(KGB)に所属していた1989年、駐在先の東ドイツで《ベルリンの壁崩壊》〔すなわち、旧・東ドイツ社会主義体制の崩壊〕に遭遇(そうぐう)した。〔彼は、独裁を突き崩す〕民主主義の力を身をもって知っている」

 

ウクライナ侵攻はそうした不安の裏返しという側面もある。

どれほど不完全でもウクライナは民主主義の国だ。自由選挙が行われ、言論の自由もロシアよりはるかに保障されている

プーチン氏にとって、こうした民主的システムが周辺国に根付き、西洋化することが一番怖い

外堀を埋められるだけでなく、いずれは国境を越え、ロシアに浸透してくるからだ」

自由の息吹(いぶき)は権威主義体制(独裁体制)に風穴を開け、自身の統治を脅(おびや)かす(『時代遅れ』という強きの発言とは裏腹に)敵に包囲された要塞(ようさい)の城主のような落ち着かない心情を秘めているのだ」

-だから民主主義を敵視し、中国への接近を強めているのか。

その通りだ。中国も米国の覇権に反対し、米主導の国際秩序に対する怒りを抱えている。

ロシアと中国は極めて強いパートナーシップの下、権威主義国家(独裁国家)として互いに支え合っている」

・・・・

自由世界のリーダーだった米国でも民主主義の劣化が著(いちじる)しい。

「〔東西冷戦期の米国には、民主主義に対する〔国民的な〕コンセンサス(意見の一致)があった。私はたちはその重要性を信じ、自分の国だけでなく世界の民主主義を守ることが大切だと考えていた」

そうしたコンセンサスは、もはやない。

昨年の米議会襲撃事件が示す通り、足元の民主主義自体が深刻な試練にさらされている。世界の民主主義防衛についても、支持する人は多くない」

・・・・

ほかにも大きな問題がある。権威主義国家が仕掛ける情報戦だ。ロシアは2016年に米大統領選に介入し、世論操作をした。

 

今回もデマやフェイクニュース(嘘のニュース)があふれている。偽(にせ)情報は民主的に選ばれた政府への信頼を著しく損(そこ)なう」

何が真実で、何が真実でないか人々が確実に見極められるようにしなければならない

民主主義は(『時代遅れ』どころか、)次代に受け継ぐべき大切な遺産だ。力を合わせ、守り抜いていかなければならない」

​(引用文献:『信濃毎日新聞』2022年5月18日朝刊「レコンキスタの時代 体制を脅かす民主主義」より抜粋。( )、〔 〕内、下線は補足)

​注5 民主化運動と独裁者の末路 Democratization movement and the end of the dictators

ナチ・ドイツの独裁者ヒトラー(1889~19453)は、恐慌(きょうこう)による社会危機に乗じてドイツに恐怖政治を敷き、露骨な膨張・侵略政策を強行して第二次世界大戦を引き起こしたが、敗戦直前に自殺した。

東欧ルーマニアのチャウチェスク大統領(任1967―1989)は、ルーマニア共産党政権の頂点に立つ独裁的権力者として君臨した。

彼は、自分の一族を党や国家の要職に起用する一方、国民には困窮生活を強要。また、東欧の共産主義国家の中でも特に厳しい言論統制や監視体制を敷いた。

 

東欧民主化のうねり(東欧革命)の中で、同国西部のティミショアラで1989年12月16日に始まった民衆の抗議行動は、首都ブカレストに拡大した。

その結果、チャウシェスク大統領と第一副首相のエレナ夫人は権力の座を追われ、22日にブカレストを脱出し、共産主義体制は幕を閉じた。

 

1225日、大統領夫妻は非公開の「特別軍事法廷」で「死刑判決」を言い渡され、その日のうちに処刑された(ルーマニア革命)。

北アフリカのリビアでは、中東の民主化運動「アラブの春」が波及して内戦となり、2011年10月、1969年以来、長期独裁を敷いたカダフィ政権が倒れた。

この時カダフィ自身は、逃げ込んだ下水の排水口で死亡したが、民兵により惨殺(ざんさつ)されたと言われる。

ウクライナでは、2004年11月の大統領選挙に関する不正をめぐり、首都キーウを中心に、草の根の民主化運動である「オレンジ革命」が起こった。

同時にこの革命は、ウクライナの将来的な選択として、ロシアとの関係よりもヨーロッパ連合(EU)の枠組みの中に加わることを要求した運動でもあった。

その結果12月に再選挙が行われ、EU加盟を主張するユシチェンコが、親ロシア派のヤヌコービッチを破って大統領に就任した。

しかしユシチェンコ政権内部で混乱が生じ、2010年2月の大統領選挙ではヤヌコービッチが勝利して、親ロシア政権ができた。

その後、ヤヌコービッチ政権は2013年11月、EUとの関係を深める提携協定(ウクライナ-EU連合協定)の調印手続きを突然、凍結した。

 

これに反発した野党勢力や市民は、2013年11月21日、キーウの独立広場で蜂起(ほうき)し、大規模な反政権デモを続けた(2014年2月18日~20日にかけ、政権側の攻撃により82人が死亡)。

2014年2月22日、野党勢力がキーウを掌握し、国会はヤヌコービッチ大統領の解任を決議。

ヤヌコービッチは国外に逃亡し、最終的にロシアへ亡命した(ユーロ・マイダン革命)

(参考文献:京都大学教授杉本淑彦監修『理解しやすい世界史B』文英堂、2013年、427、445項。「ウクライナ政権崩壊 大統領、国外脱出に失敗」『日本経済新聞』2014年2月23日、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』他)

 

注6 侵略戦争 War of aggression

侵略戦争とは、領土の拡大や他国民の征服を目的として行われる戦争のことであり、国際法上、違法とされている。

参考文献:政治・経済教育研究会編『政治・経済用語集』山川出版社、2014年、27項

注7 メディアリテラシー(情報リテラシー)media literacy
新聞や放送、さらにはインターネットといった情報媒体
(ばいたい)を正しく読み取り、取捨(しゅしゃ)選択し、使いこなす個人の能力のこと。


現代社会においては、プロパガンダ(国民を一定方向に誘導・統制するための政治宣伝)を含め、さまざまな情報が氾濫(はんらん)する中で、情報を受け身で信じる(う呑(の)みにする)のでなく、真実を見きわめる力が求められている。

​(参考文献:政治・経済教育研究会編『政治・経済用語集』山川出版社、2014年、85項

* * *

英訳

English translation

War and peace restoration

in Ukraine

Takesato Kazuo

The following text was contributed as a preface to "Yuuwa" magazine (Japan Fellowship of Reconciliation, JFOR) in light of the Russian invasion of Ukraine.

                                
◆ "No way" scene
On February 24, 2022, Russia's war of aggression on Ukraine has begun. And in Ukraine, many terrible sights are still unfolding.

Brutal indiscriminate attacks by Russian troops still destroy many cities, towns and villages, killing many civilians, including children, or taking them to Russia.

Not only that, Russian troops are committing war crimes in the occupied territories, torturing and systematically killing many non-resisting civilians.

The world scene has changed completely.
It is as if we have returned to the world before the end of World War II (August 1945), when military aggressions were rampant.

 

◆ Putin's war
What is the essence of this war? Various factors have been pointed out.

The Russian government claims that the war is "a military operation to prevent Ukraine from joining NATO (North Atlantic Treaty Organization. Note 1)."

Many scholars also argue in various ways on the premise of this claim.

But this is President Putin's deceptive rhetoric.

I think that the essence of this war is "a war for Putin by the dictator Putin" (Note 2).


This is because Ukraine's accession to NATO cannot be a concrete issue for the time being.

In the first place, a country that has a territorial dispute such as occupied a part of its territory or cannot contribute to improving the security of NATO as a whole cannot join NATO.

However, the Ukrainian territory of the Crimean Peninsula was unilaterally annexed by Russia on March 18, 2014 and is still occupied (Ukraine, of course, the international community has not approved this).

Also, before this invasion, part of the two provinces of eastern Ukraine (Luhansk and Donetsk) were already virtually occupied by Russia.

In other words, Ukraine today is the country as a party that has a serious territorial dispute with Russia.    

 
Therefore, at present, Ukraine cannot join NATO. Putin himself should have been fully aware of this (Note 3 Reference).

Putin's true purpose is believed to be to deprive Ukraine, which he considers to be "Little Russia" (the idea and expression of the imperial Russian era) of freedom and democracy.

Putin has insisted that it is a "Western conspiracy" every time the pro-Russian governments collapsed one after another due to elections in neighboring countries of the former Soviet Union.

Putin must be deeply afraid that the free speech and actions of the citizens of democratized countries will spread to Russia, and that he will be dragged out of power by large-scale protests or the Citizen's Revolution.


Because he knows the pathetic end of the dictators.(Note 4).

Putin calls those who oppose this war "national traitors" and "rebels," and calls on the people to monitor each other and eliminate opponents of the war.

In addition, he has violently cracked down on protesters against the war and drastically suppressed civilians by enacting laws that would allow them to be imprisoned for 15 years.

These would be evidence that Putin is afraid of the free speech and actions of the citizens.

If Putin's purpose is to prevent Ukraine's freedom and democracy more than to prevent Ukraine from joining NATO, his ultimate goal would be beyond the "neutralization" of Ukraine, the establishment of a pro-Russian government, and the establishment of an authoritarian and dictatorship that excludes the values of freedom, human rights and democracy.

Like the Belarusian Lukaschenko administration (called "the last dictator of Eastern Europe"), loyal to Russia.

If Russia's ambitions are realized in this war, there is a great danger that the suppression of freedom and democracy by force(authoritarianism)  will spread to the world in the future.

◆ What we can do now - pray, act

We do not withdraw our claims of non-war and peace just because the war has begun.

Due to this war, numerous lives are being lost, and the living and natural environments are being destroyed. In the future, there are serious concerns about the turmoil in the world economy, the occurrence of food crises in the Middle East, Africa and elsewhere, and the further progress of global warming.
These further narrow the possibility of human survival.

The need to abolish war is becoming more and more apparent.

But now that the war has actually begun, what we need to do is stop the war and restore peace as soon as possible.


However, this is not something we can all get involved with.

Still, there are somethings we can do.

We pray for the earliest possible end of the war and peace.

We call for the immediate withdrawal of Russian troops from Ukraine.

We call on the religious community to speak courageously and publicly for peace (especially in Russia).

We help and support the injured and fallen Ukrainian people. To that end, we use our imagination to think and do what we can do now.

In addition, we will deeply analyze and consider this issue and explore ways to deepen FOR activities so that we can carry out effective activities for building a peaceful world after the war.

Dictators often start wars to maintain their power (After the invasion of Ukraine, Putin's approval rating ahead of the presidential election two years later, jumped to over 80% for the first time in four years, as intended).

We will deepen our freedom, human rights and democracy, and monitor and prevent the emergence of dictatorial governments.

For that purpose, we want to improve our media literacy (Note 5) on a daily basis and cultivate both eyes to see the essence of things.

We believe in the arrival of world peace forever and want to move forward together without giving up hope.

(April 5, 2022. Partially modified)

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